ヘルニアとは
人間の背骨は椎骨という骨が重なり合っています。
そして椎骨の間には椎間板というクッションの働きをする繊維軟骨があります。
この椎間板の中の髄核という組織が繰り返しの衝撃や強い外力により飛び出してしまった状態をヘルニアと言います。
そして、飛び出した髄核が神経を圧迫することで痛みや痺れを感じるというのが一般的な考え方です。
ヘルニアが神経の圧迫をして痛みや痺れが出ているのなら、お医者さんは「今すぐこの圧迫しているところを手術で取り除きましょう!」と言うはずですが、実際には「湿布と鎮痛剤で様子を見て下さい」と言われる方がほとんどです。
しかも湿布や鎮痛剤だけでは症状が改善していないことが多くあります。
また、ヘルニアの手術をしても痛みや痺れといった症状が残っている方がおられるのも事実です。
本当にヘルニアの原因は神経なのでしょうか?
ヘルニアの本当の原因とは
結論から言うと、ヘルニアの原因は神経ではなく筋肉なのです!!
下図をご覧ください。
このグラフは腰痛のない人を対象にレントゲンやMRI等の画像診断を行ったところ、76%の人にヘルニアが、85%の人に椎間板の異常が見つかりました。
このことからもヘルニアがあるから痛みや痺れが出るというわけではないということが分かります。
そもそも、神経とは脳に運動や感覚などの情報を伝える伝導路です。この伝導路がヘルニアにより圧迫を受けてしまうと情報がうまく伝わらず、感覚がない・動かせないという『麻痺』の状態が起こります。
当院にもヘルニアで悩んでおられる方が多く来院されますが、みなさん「痛い」「怠い」「ジンジン痺れる」「電気が走るような感じ」等のように、しっかりと痛みやしびれなどの症状を感じておられます。
また、まったく体が動かないという方もおられません。
冒頭にも述べたように、ヘルニアの本当の原因は筋肉です。
日常生活の中で同じ姿勢を長時間続けている方(立ち仕事や座り仕事)や同じ動作を繰り返している方は、どうしても筋肉に負担が蓄積してしまいます。
筋肉に負担が蓄積してしまうと、筋肉自体がエネルギー不足になり『トリガーポイント』と呼ばれる痛みや痺れの引き金になる筋肉のしこりができてしまいます。
このトリガーポイントこそがヘルニアの本当の原因なのです!!
トリガーポイントの特徴のひとつに『関連痛』という症状があります。
関連痛は離れた場所に痛みや痺れが出るものですが、下図をご覧ください。
赤い部分が関連痛として痛みや痺れが出る場所になっています。
ヘルニアで足に痺れが出ている症状ですと、小殿筋というお尻の筋肉や脛の筋肉、ふくらはぎの筋肉が原因となることが多いです。
このように、筋肉から痛みや痺れといった症状を出すため、原因の筋肉に対して治療を行なわないと症状は改善しないのです。
まとめ
いかがでしたか?
今まで神経が痛みや痺れの原因だと思っていた方はびっくりしたのではないでしょうか。
痛みや痺れに波がある、楽な動作や楽な姿勢がある、痛いという感覚や痺れている感覚が分かる、痛いけど動かせる場合は筋肉が原因となって出ている症状なので、しっかりと治療をすれば治ります!!
病院でヘルニアと診断されて困っている方は当院に一度ご相談ください。