ストレッチが効果的な症状や状態とは?
まずストレッチを行うと症状が改善が期待できたり、パフォーマンスが上がる可能性があるものについてお伝えします。
①筋肉の疲労の改善(筋肉痛や筋疲労による痛み)
ストレッチ後は軽運動後と同じように筋血流量が増加します。またストレッチはリラックス効果があるので副交感神経が優位になり血管が広がります。その結果、血流の流れが促進されますので疲労物質が流れると同時に筋肉に必要な栄養素などが流れ込むので疲労回復に非常に効果的です。
②関節可動域の改善(リハビリなど)
ストレッチは筋肉を伸ばすのはもちろん、同時に関節も伸ばします。筋肉を伸ばし関節の可動域を広げることにより日常生活動作の改善やパフォーマンスの向上につながります。
③筋出力の増大(スポーツ前など)
ストレッチを行うと筋張力が増加します。筋張力とは簡単に言うと筋肉が伸ばされる長さです。輪ゴムを例に例えるとより伸びる輪ゴムの方が遠くに飛びますよね?筋肉も輪ゴムの原理と同じでしっかり伸びる筋肉の方が力を発揮できるのです。ストレッチを行い筋肉が伸びやすい状態にしてあげると力もしっかり発揮できるのです。これはパフォーマンスの向上だけでなくケガの予防の観点でも非常に重要になります。
ストレッチを行うとよくない症状や状態とは?
①急性期の症状(捻挫・骨折・打撲・肉離れなど)
捻挫や骨折直後は炎症反応が強くでて、患部は腫れあがります。その状態でストレッチを行うと痛みが強く出現し身体にも多大な負担が強いられます。骨折の場合は無理に伸ばそうとすると骨折端が離れてしまい治癒までの時間を伸ばしてします可能性も多いにあります。回復期にはストレッチも一つの大切なリハビリになりますので、専門家の指導のもと愛護的に行って下さい。肉離れに関しては直後2~3日の炎症期(腫れが強い時期)にストレッチは避けた方がよいですが、腫れが引いた3日目辺りからは痛みのない範囲で少しずつストレッチを行っていく方が筋線維の回復が早いという論文もあります。こちらも痛みが出ないように愛護的に行い早期回復に繋げて下さい。
②腫れがあり、熱感を感じる症状(痛風・感染性症状など)
基本的に腫れや熱感があるものは炎症が起こっていることが推測できます。炎症が起こっている箇所に過剰にストレスをかけてしまうと炎症を強くしてします可能性があります。安静にしている姿勢でズキズキする痛みなどは炎症が起こっている可能性があるので要注意です。
③関節拘縮が著しい症状(関節リウマチ・五十肩の急性期など)
関節リウマチで進行が強いものなどは関節構造が破壊され関節が動かなくなっていることがあります。この状態では関節が拘縮し関節を曲げたり伸ばしたりすることが困難な場合が多いです。このような状態で無理にストレッチをかけようとすると筋肉は伸びないばかりか関節に負担がかかりすぎて痛みを伴う場合があります。愛護的に曲げ伸ばしが出来る範囲でストレッチを行うようにして下さい。五十肩も関節が拘縮を起こしている場合があります。(拘縮期:フローズンショルダー)この時期は関節可動域が著しく低下して肩が上がらない状態になっていることが多いです。痛みを伴う過度な負荷は炎症を発生させるリスクがあります。痛みの範囲でのストレッチや運動をおすすめします。
④体温や血圧が高い場合
体温が高い状態(熱がある状態)や血圧が高い状態ではそもそも身体にかかる負担が強く心臓などの内臓器官に多大なストレスがかかります。命に関わることも少なくないので風邪気味の場合は血圧が高い状態でのストレッチは避けるようにしましょう。
⑤感覚麻痺など知覚異常がある場合
感覚麻痺がある場合でのストレッチは伸ばしている感覚が分かりにくく過剰なストレッチを行ってしますことが多く、痛みの原因を新たに発生させてしまうリスクがあります。専門家のもと異常可動域にならない範囲でストレッチを行うようにして下さい。(ここで説明する感覚麻痺とは触っている感覚が分からないや曲げられているのに分からないなどのこと)
まとめ
ストレッチは筋肉を伸ばし、筋肉由来の症状の改善やパフォーマンスの向上には多大な効果が期待出来ます。
しかし、上記のような症状や状態でのストレッチは書症状を悪化させるだけではなく、生命に関わる場合もあります。
ストレッチについて正しい知識を持ち安全に行うことで症状の改善やパフォーマンスの向上につなげて頂ければ幸いです!!