なぜ肉離れを繰り返すのか
肉離れは、急激に筋肉が収縮(求心性収縮、遠心性収縮、等尺性収縮)した際に筋肉や筋膜の一部が損傷するものです。
多くは下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)やハムストリングス(太ももの裏の筋肉)、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)に起こりますが、内転筋(太ももの内側の筋肉)や腹直筋(腹筋)にも起こることがあります。
原因としては、筋肉の柔軟性の低下(ウォーミングアップ不足、ケア不足、気候)が主に挙げられます。
柔軟性の低下した筋肉に繰り返しのストレスや急激な外力が加わり、筋肉や筋膜の一部が損傷した状態が肉離れですが、損傷した部分が治っていく過程で瘢痕組織ができ上がってしまいます。
肉離れを起こした場所を触ると硬いしこりが残っていた、という経験はありませんか?
これが瘢痕組織です。
正常な組織ではコラーゲンが規則的に並んでいますが、瘢痕組織ではコラーゲンが不規則に積み重なります。
硬いしこりになった瘢痕組織は収縮も伸長もされないので、柔軟性が低下している瘢痕組織を残したまま再度その場所に繰り返しのストレスや急激な外力が加わった結果、再受傷してしまうのです!
肉離れを繰り返さない為の治療方法とは
肉離れを繰り返さない為には、上記に書いた瘢痕組織を残さないことが重要です。
受傷して直後は応急処置であるRICE処置が必要です。(R:安静、I:冷却、C:圧迫、E:拳上)
しかし、いつまでもRICE処置を行ない固定や安静を続けることで筋肉はますます柔軟性が低下してしまいます。
基本的にRICE処置は炎症が起こる24~72時間までとし、出来る限り早く適切な治療を行なうことが重要です。
具体的な治療法としては、血流を改善させるための手技治療や鍼治療が効果があります。
肉離れを起こしているのに血流を促しても大丈夫なの?
損傷しているのに手技の治療をしてもいいの?
と疑問に思われるかもしれませんが、適切な刺激は筋肉内の細胞を刺激します。
その刺激により細胞が活性化し、修復力が早まります。
また、瘢痕組織自体は柔軟性が低下している部分ですので、血流を促し柔らかくなるために必要な酸素や栄養素を供給してあげることで元の柔らかい状態に戻ることができます。
まとめ
いかがでしたか?
これからの季節は特に注意が必要になってきます。
普段から筋肉の硬さや張り感、違和感を感じている方、普段からウォーミングアップやクールダウン、ケアが不足している方は、肉離れが起こる前に早めに対策をとって下さい。
万が一肉離れを起こした場合は、正しい処置を行い、痛みがなくなったからと放置せず適切な治療を受けることで再発を予防することができます。
ケガなく寒い季節を乗り切りましょう!!