なぜ入浴で腰痛が改善するのか
まず、腰痛の多くの原因は筋肉によるものです!!
特に原因になりやすいのは『脊柱起立筋』という姿勢を維持する筋肉です。
日常生活で長時間の同じ姿勢や繰り返しする動作などが原因で筋肉に負担が蓄積することで痛みが発症しています。
筋肉は力を入れると太く、硬く、短くなり、力を抜くと緩み、柔らかくなります。この伸び縮みをスムーズに行えることがそもそも筋肉にとって良い状態です。
その良い状態を保つために筋肉は周りの毛細血管から酸素や栄養素を含んでいる血液をもらうことで保っていますが、負担が蓄積し硬くなった筋肉が自ら周りの毛細血管を圧迫することで血流が悪くなります。また酸素や栄養素も不足してしまいます。
こうして酸素や栄養素が不足してしまうと筋肉は元の柔らかい状態に戻ることができず、発痛物質が産生され『トリガーポイント』と呼ばれる痛みの引き金となる筋肉のしこりができます。
この『トリガーポイント』を取り除くためには、血流を改善し、筋肉を元の柔らかい状態にさせるために酸素や栄養素を取り込める状態にする必要があります。
お風呂に入ることで血管が拡張し、血液をの流れを良くしてくれます。そうすると筋肉に必要な酸素や栄養素を含んでいる血液が供給され筋肉が柔らかい状態になるのです!
また酸素や栄養素を供給するだけでなく、筋組織に残っている代謝廃棄産物(乳酸などの疲労物質)を流してくれます。この代謝廃棄産物は局所の筋組織を刺激し、痛みを生じさせてしまいます。
なのでお風呂に入ることで血液が良くなり、腰痛も改善するということなのです!!
入浴の効果
ではみなさんが普段入られているお風呂にはどのような効果があるのかお伝えします!
温熱効果
温めることで血管が拡張し血行がよくなります。そうなると筋肉に必要な酸素や栄養素を含んでいる血液が供給せれるのと同時に筋組織に残っている代謝廃棄産物を流してくれます。
また38~41℃のお湯は自律神経の副交感神経を優位にさせ、身体をリラックスさせる効果もあります。
実は10分お湯に浸かることで体温が約1℃高くなるとも言われているんです!!
浮力効果
プールや海に入ると身体が浮くように、お風呂の中でも浮力が働きます。お風呂に浸かると、体重は約10分の1程度になります。普段体重を支えている筋肉は、その役割から開放され休ませることができ、身体全体の緊張がほぐれます。
静水圧効果
お湯に全身が浸かると、腹囲が3~5㎝ほど縮むとも言われるほど、カラダに水圧がかかります。それにより腰部にたまった代謝廃棄産物が流されて、血液の循環を促進させます。
身体の表面だけでなく、皮下組織にも水圧がかかるので、リンパの流れも良くしてくれます。
腰痛の時の入浴方法
入浴の効果にもありますが、血液の循環を改善することが目的のため、温度は38~41℃が最適です。42℃以上になるとリラックスさせる副交感神経より興奮するときに働く交感神経が優位になるため、血管が収縮し筋肉の緊張が高まってしまいます。
入浴する際には温度に十分気をつけて下さい!!
入浴時間は最低でも10分は浸かりましょう。10分で体温が1℃上がりますが、20分浸かることで身体の深部(内臓)まで温まると言われています。
表面の筋肉だけでなく、深部からしっかり温まるためにも10~20分が最適です。
また10分以上お風呂に浸かることで深部から温まり身体の熱が逃げにくくなります。
39℃のお湯で15分浸かるのと42℃のお湯で3分浸かるのでは入浴後にはっきりとした差があります。
体温が高いときは血管が拡張している状態で血流はとても良いです。
腰痛を改善するには筋肉に酸素や栄養素を含んでいる血液を供給し続てあげることが重要なのでお風呂に10分~20分浸かってみてください。
まとめ
いかがでしたか?
腰痛には毎日のお風呂がかなり効果的です!!
入浴時間があまり取れない方や最近暑くなりつつありシャワーで簡単に済ませがちかもしれませんが、毎日お風呂に浸かるだけで身体にとっては良い効果がたくさんあります。お仕事が忙しい時は時間がないとは思いますが10分でいいので浸かってみてください。