椎間板ヘルニアとは
まず初めに椎間板ヘルニアとはどのような状態か知って頂きたいと思います。はじめに椎間板の役割を説明しますと椎間板とは背骨と背骨の間にある水分の多い組織でクッションの役割を果たしています。
急激な外力が加わったり繰り返し重たい物を持ちあげるような作業などを行うことでそのクッションの役割を果たしている椎間板の中にある髄核が変形したり、飛び出したりして近くに走る神経を圧迫し、頑固な腰痛やしびれを生じさせていると言われています。
病院では指先や足の感覚の異常をチェックし神経症状の有無を確認します。またレントゲンで背骨の変形も確認します。そして、背骨の変形、首や腰、手足のしびれ・痛みなどの症状があれば「椎間板ヘルニア」という診断がくだります。ここまでが病院での一般的な椎間板ヘルニアの診断基準となります。
そして病院では「湿布と鎮痛剤で様子を見て下さい」と言われても症状がなかなか改善していない方がたくさんおられます。また、ヘルニアの手術をしても痛みや痺れといった症状が残っている方がおられるのも事実です。
では果たして本当にヘルニアの原因は神経の圧迫によるものなのでしょうか?
痛みや痺れの原因は神経圧迫なのか
ではまず、こちらの図をご覧ください!!
腰に痛みを感じていない無症状の方を対象に画像診断(レントゲンやMRI等)を行ったところ…実に76%の方にヘルニアのような構造的な異常が見つかったという研究データです!
この研究結果からもわかるように、ヘルニアがあるから腰に痛みやしびれが出るというわけではないことがわかります。
そもそも神経とは脳に運動や感覚を伝える伝導路です。その伝導路がヘルニアによって圧迫をうけてしまうと情報の伝達がうまく行えず、動かせない・感覚がないという『麻痺』の状態になります。
ヘルニアで悩んでおられる方で仕事中や家事などの動きの中で「痛み」を感じておられたり、「痛い」「ジンジン痺れる」「電気が走るような感じ」等の感覚を感じておられる方はヘルニアの神経圧迫から出る症状ではないということがわかります。
では、本当の原因は何なのでしょうか?
痛みや痺れなどの症状の真の原因は何なのか
今までヘルニアによる神経の圧迫が原因で出ている痛みやしびれと言われてきた症状の真の原因は…トリガーポイントと呼ばれる筋肉のしこりです。
トリガーポイントとは筋肉や筋膜に生じた筋肉のしこりです。繰り返しの動作や長時間の同じ姿勢を行うことで筋肉が血流不足になり、筋肉自体がエネルギー不足になって『トリガーポイント』と呼ばれる痛みや痺れの引き金になるしこりができます。
トリガーポイントは他の場所とは違って、少しの圧迫を加えるだけでも強烈な痛みを感じることがあるのもトリガーポイントの特徴です。
そして、トリガーポイントのもう一つの特徴としては『関連痛』といった症状があります。
関連痛は原因の場所とは離れた別の場所に痛みや痺れ引き起こします。
例えば、小殿筋というお尻の奥にある筋肉にトリガーポイントが生じると下の図のような場所に痛みや痺れを引き起こします。
×があるところにトリガーポイントがあり、赤くなっている部分が痛みや痺れを感じる関連痛の場所です。
※また別の場所に痛みや痺れが起こるとその場所にトリガーポイントが発生する可能性があります。
このように、筋肉からも痛みや痺れといった症状が出るため、まずは原因の筋肉を見つけその筋肉に対して治療を行わないと症状は改善しないのです。
まとめ
みなさん、いかがでしたか?
今まで感じておられた痛みや痺れといった症状がまさか筋肉からと思われる方は多いと思います。
痛みや痺れに波がある、楽な動作や姿勢がある、痛みはあるが動かせる場合は筋肉が原因となっているのでしっかり治療をすれば必ず治ります!
病院でヘルニアと診断されて困っている方、手術はしたくないけど痛みや痺れを治したいという方、手術をしても症状が残っている方は一度ご相談ください。