痛みの悪循環とは??
私たちが感じる痛みは体内から出た「痛みの元になる物質(=発痛物質)」を感知して神経を刺激するからです。
この発痛物質が出てくる原因は身体や筋肉が傷ついた事によるダメージです。具体的には筋肉に必要な「酸素」が不足してしまう事です。
下の図をご覧下さい。
一番上の組織損傷は筋肉にしっかりと酸素や栄養素が十分に供給されていない状態。
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酸素や栄養素が供給されない為に痛みの元になる物質がドンドン産生される。
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痛みを感じる神経のセンサーが刺激されて興奮状態になり痛みが発生する
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痛みが発生したことにより「交感神経」が興奮
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交感神経が興奮すると血管が収縮したり筋肉が収縮する
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血流が悪い状態で筋肉に必要な「酸素」が運ばれない
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筋肉が「酸欠状態」となり発痛物質が産生される
このように負の連鎖のように痛みが繰り返されるのが「痛みの悪循環」です。
この酸欠状態の筋肉を繰り返し使ったり、筋肉を一度に使いすぎると
トリガーポイントと言われる筋肉のコリ(硬さ)が発生して「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」という痛みやしびれを伴う病気が引き起こされるのです。
このサイクルを回し続けると慢性的な痛みに繋がり、そのサイクルが長ければ長いほど治すための時間がかかってしまうのです。
痛みの悪循環を止めるには
筋肉のトリガーポイントによる痛みの悪循環を止めるためには、「血流を改善する」ことです!
酸素や栄養素は血流にのって運ばれ筋肉に供給されます。そして徐々に良い状態の筋肉に回復していきます。
ではどのようにして血流を改善するのでしょうか。
根本的に改善するためには治療を行なう事が大切ですが、ご自身のケアも症状の改善を早める効果的な方法です。
ご自身で簡単に出来るケアを2つご紹介します。
簡単なケア方法ですので是非やってみましょう!
①お風呂に20分つかる
これは痛みの出ている場所だけでなく全身温まる事が出来るので、リラックス効果も得られやすい方法です。
リラックスをするだけで「副交感神経」という神経が働き、血管をひろげてくれる作用がありますのでさらに血流がよくなります。
ただ、お風呂の温度は39℃~40℃の少しぬるめに設定してください。
あまり熱すぎると血管が収縮してしまい緊張状態となります。
表面しか温まらず結果的には身体を冷やしてしまう事になりますのでお気を付けください!
②カイロや湯たんぽで患部を温める
・カイロ
これは必ず衣類の上から当てて下さい。
コルセットやサポーターなどで圧迫してしまうと血流が悪くなり皮膚の温度があがって、低温やけどを引き起こしやすくなります。
また長時間同じ部位に貼ったまま眠ることのないようにしましょう。
・湯たんぽ
就寝時に湯たんぽが足に触れたまま眠ってしまうと、低温やけどとなり水ぶくれが出来てしまうケースが多いようです。
特に足は知覚が鈍く、熱を分散しにくいため知らないうちにやけどをしてしまう可能性がありますので寝る前に使用するなど工夫をして温めましょう!
また、シップは貼ってもいいのかとよく質問を受けますが
トリガーポイントによる痛みには血流を良くすることが必要ですので、シップよりカイロ、湯たんぽが効果的です!!!
※シップには強力な消炎鎮痛剤が含まれており血行を悪くさせる働きがありますのでご注意ください。
最後に
痛みは放っておくと「痛みの悪循環」が回り続けてしまいます。
①まず大切なことは痛みの悪循環を止めること
⇒痛みを感じない身体の状態に導くこと(治療すること)
②痛みの悪循環が再び回り出さないようにすること(ケア・メンテンスすること)
⇒ストレッチや温めることはもちろん大切ですが、痛みのない状態を保つためには継続的に筋肉のケア(メンテンス)することが大切です!
日常の動作で筋肉には少なからず負担がかかり続けます。
痛みが軽減した。またはなくなったとしても再び痛みを繰り返す可能性はあります。
定期的にメンテナンスを行うことによって痛みのない状態を維持できるようになります。
もし「症状がなくなってきたし、もういいかな」とか「なかなかよくならないしもういいかな」と思っている方がおられましたら【痛みの悪循環】が回っている。または再び回る可能性があるいうことを理解していただき、まずは痛みのない状態が1週間続くようにしっかり施術させていただきたいです。
今後とも平川接骨院グループをよろしくお願い致します。