五十肩とは
よく耳にする『五十肩』、実は五十肩とは正しい病名ではないのです。
医学的には『肩関節周囲炎』と呼ばれるもので、特に50代に多くみられるので五十肩と言われるようになりました。
五十肩の原因とは
五十肩とはいわゆる肩関節周囲炎のことです。
加齢に伴い肩関節や筋肉・靭帯・関節包など肩周りの組織に炎症や痛みが起こるものです。
肩に痛みを感じたり、動きが悪くなり病院を受診した結果、「腱板の損傷が原因」と言われることも少なくありません。
腱板とは肩を動かす4つの筋肉の総称で、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋のことです。ローテーターカフとも呼ばれますが、主に肩を安定させる働きがあります。
腱板は加齢とともに損傷や断裂がみられることが分かっていますが、実は肩に痛みの無い無症状の人でも、50代では約25%、65歳以上では50%以上に損傷や断裂がみられるのです。
必ずしも腱板の損傷や断裂が原因ではないのです。
また、肩に痛みを感じていてもレントゲンなどの画像診断で異常が無いと言われた方もいるのではないでしょうか。
五十肩のほとんどが、関節や靱帯が原因ではなく、筋肉の硬さ(痛みの引き金になる筋肉の硬さ=トリガーポイント)が原因になります。
肩に痛みがある、腕が上がらないから全て五十肩かというとそうではありません。
五十肩の症状とは
五十肩の症状は「炎症期」「凍結期」「回復期」の3つに分かれます。
炎症期
炎症期は字の名の通り炎症が起こっている時期です。
じっとしていても痛みが強く(安静時痛)、夜になると眠れないほどの痛みが出ることも特徴です。(夜間痛)
この時期は痛みが強いため腕を動かすことができません。
また、少し触れたり当たっただけでも痛みを感じます。
凍結期
凍結期に入ると、安静時痛や夜間痛は落ち着きますが、炎症期に腕を動かさなかったために、肩の可動域制限がみられる時期です。
シャンプーや髪の毛を結ぶことができない(結髪動作)、手が後に回らない(結滞動作)、腕を無理に動かそうとすると痛みが出てそれ以上動かせない(運動時痛)などの症状が出てきます。
凍結期とも呼ばれるくらいなので、肩が固まって動きが悪くなっているのが特徴です。
回復期
この時期に入ると少しずつ動く範囲が広がっていきます。
痛みも鋭い痛みから鈍い痛みへと変わっていきます。
以上の症状を辿って回復していくため、治るまでに2年ほどかかると言われています。
まとめ
いかがでしたか?
五十肩は上記に記載した経過を辿っていくため、少しでも当てはまる症状があればご相談下さい!
痛みを我慢することは、逆に筋肉を硬くしてしまったり、症状をきつくさせてしまう原因にもなるため、早めの受診をおすすめします。