腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)とは
腸脛靭帯炎はランナーに多く発生するため『ランナー膝』や『ランナーズニ―』とも呼ばれています。
腸脛靭帯とは、骨盤の骨から太ももの外側を通り脛に付着する筋膜の線維束(少し固いゴムバンドの様なもの)です。
主に体重が乗った際に骨盤と足を安定させる働きがあるため、ランニングや登山等で足の外側に体重がかかる動作が多いと腸脛靭帯が張った状態になってしまします。
その結果、繰り返しの膝の曲げ伸ばしの動作で太ももの外側と擦れて摩擦を起こしてしまったり、付着部でもある脛に炎症を起こしてしまうことで膝の外側に痛みが生じます。
腸脛靭帯炎の本当の原因とは
腸脛靭帯炎と聞くと靱帯が原因なんだと思いがちですが、実は靱帯ではなく他にも原因があるのです。
その原因とは筋肉なのです!!
腸脛靭帯には大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)という骨盤の筋肉や大殿筋(だいでんきん)というお尻の筋肉が付着しています。
大腿筋膜張筋は歩く際や走る際に足を前に降り出す作用があります。
そして、中殿筋(ちゅうでんきん)や小殿筋(しょうでんきん)といったお尻の筋肉と共に骨盤が左右にぶれないように安定させるためにとても重要な働きをしています。
大殿筋は足を後ろに出す際に働くので、ランニングでの蹴り出す動作や登山で坂道を上る際に使います。
ランニングでは片足での着地となるため、骨盤がぶれないように安定させる大腿筋膜張筋や大殿筋、中殿筋、小殿筋に負担がかかります。
これらの筋肉が負担の蓄積により硬くなると、腸脛靭帯自体も緊張してしまうためより摩擦が起きやすくなってしまいます。
また、腸脛靭帯の下には外側広筋という太ももの筋肉も走行しているため、外側広筋の緊張も腸脛靭帯炎の原因の一つになります。
これら筋肉の緊張は放っておくとやがて痛みの原因(トリガーポイント=痛みの引き金になる筋肉の硬さ)となるため、痛みを出さないためにも痛みを早く取り除くためにも筋肉の柔軟性を取り戻すことが重要になってきます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
腸脛靭帯炎の原因は、直接腸脛靭帯に付着する大腿筋膜張筋や大殿筋だけでなく、共同して働く他の筋肉が原因になることもあります。
痛みの出ている部分だけを治療していてもなかなか痛みが引かない方は、上記の筋肉に対しての治療が必要かもしれません。
まだ痛みの出ていない方も、これからのマラソンシーズンや登山シーズンを楽しむためにも上記の筋肉に対してケアやストレッチをしてみてはいかがでしょうか?
痛みなく楽しくシーズンを過ごせると良いですね♪