ヒアルロン酸注射とは?
ヒアルロン酸注射とは現在医療の現場や美容の現場でよく使用されるヒアルロン酸という薬物を注入する療法のことです。
美容の現場では顔にヒアルロン酸を注入し、肌の張りや艶を出す効果を期待して活用されています。
医療の現場では、いわゆる「関節痛」に対して使用されることが多く、特に膝の軟骨の擦り減りによって起こる《変形性膝関節症》で多く使用されています。
ヒアルロン酸注射の効果としては
①炎症を抑える作用
②関節の動きを滑らかにする<潤滑油>作用
があり、特に②の関節の動きを滑らかにする作用に関して効果が大きく期待できます。
膝の軟骨は年を重ねるごとに摩耗して擦り減っていきます。
擦り減った軟骨の表面は滑らかな状態ではなく、毛羽だったり、ザラザラになっていきます。
そのような状態で膝の曲げ伸ばしを行うと、どうしても関節内の動きが円滑に行えず《膝がスムーズに曲がらない・引っかかった感じがある》など違和感や動きにくさを感じてしまいます。
ヒアルロン酸注射は潤滑油の効果があるので、関節の動かしにくさを改善するためには大変効果的な治療法であると言えます。
変形性膝関節症に対してのヒアルロン酸注射の効果とは?
では変形性膝関節症に対してのヒアルロン酸注射の効果とはどのような効果があるのかというと、前述した通り《関節をスムーズに動かくため》の治療であるのならば大変効果的な治療であると言えます。しかし、膝の《痛み》に関しては、あまり効果は期待できません。
それはなぜかというと、膝の軟骨自体にそもそも神経が通っていません。
なので、軟骨が擦り減っていても神経が通っていないので痛みを感じることはないのです。
それなのに、現在の医療では「軟骨が擦り減ったら痛みを感じる」という間違った認識が広がっているのです…。
ではなぜ変形性膝関節症で痛みがでるのか?
それは関節が変形したことによって、膝周囲の筋肉を過度に使用するようになり、疲労が溜まり、結果筋肉から痛みが出現しているのです。
変形性膝関節症とは、膝が変形している《状態》のことを言うのであって、変形した膝からの《痛み》のことを言っているのでないということを理解して下さい。
なので、軟骨が摩耗して関節の動きの制限がある場合は、ヒアルロン注射は有効ですが、痛みを取り除くためにはほとんど効果は期待できません。
痛みを取り除くためには、膝の周りの筋肉に対して治療が必要となります。