椎間板ヘルニアの原因について
『ヘルニア』と聞くとみなさんはどんなことを思い浮かべますか?
・神経が圧迫されている
・神経が圧迫されたから痛みや痺れがでる
・手術しか治る方法がない
・怖い
いろいろあると思いますが、そもそも椎間板ヘルニア自体がどのような状態かご存じでない方もおられると思いますので説明していきたいと思います!
私たち人間の背骨は椎骨という骨とクッションの働きをする椎間板という軟骨とが交互に重なり合っています。
そのクッションの働きをする椎間板の中には【髄核】というゼリー状の組織があるのですが、繰り返しの衝撃や加齢により髄核が飛び出してしまったこ状態をヘルニアと言います。
そして飛び出してしまった髄核が神経を圧迫しているから『痛みや痺れ』といった症状が出てしまう。
これが一般的な考え方です。
もし本当に神経の圧迫が原因なら「湿布と痛み止めで様子を見ましょう」「ひどくなったら手術をしましょう」ではなく、「今すぐ手術をして圧迫している部分を取り除きましょう!」となるはずですよね。
おかしいと思いませんか?
湿布と痛み止めで飛び出してしまった髄核は引っ込むわけではありません。
しかも多くの方が症状の波(痛みや痺れがある時とない時がある)を感じておられますが、一度飛び出した髄核が引っ込んだりまた飛び出したりということはありませんので、ヘルニアという診断を受けたにも関わらず症状に波があるということも本来ならないはずです。
また、神経は脳に感覚を伝える伝道路なので、神経が圧迫されると痛みや痺れなどを全く感じない【麻痺】が起こってしまいます。
ではみなさんがヘルニアと思っている症状の原因は何なのでしょうか??
実は筋肉が原因なのです。
腰の周りには姿勢を支えるための筋肉が何種類も付いています。デスクワークや立ち仕事、力仕事で何日・何ヶ月・何年と筋肉に負担が蓄積していくと筋肉はエネルギー不足になり柔軟性を失った硬い状態になってしまいます。硬くなった筋肉は次第に発痛物質を産生し、最終的に【痛み】を出してしまいます。この痛みの引き金となる筋肉の硬さのことを医学用語で【トリガーポイント】と言います。
トリガーポイントができると痛みだけではなく、離れた場所に痛みや痺れといった症状を出すこともあります。これを【関連痛】と言います。
みなさんが思っているヘルニアからの痛みや痺れは全てトリガーポイントが原因になっているのです。
動かしても良い症状
椎間板ヘルニアは動かした方がいいのか、動かさない方がいいのか。。。
結論から言うと動かした方がいいです!!
なぜなら、椎間板ヘルニアの原因は血流不足による筋肉の硬さ(トリガーポイント)が原因だからです。
椎間板ヘルニアと診断を受けた方の中には、「動いている方が楽」「お風呂に入って温めると楽」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここに共通してくるのが血流が促されているということです。
ふくらはぎのことを第二の心臓と言うように、筋肉にはポンプ作用があります。
このポンプ作用は筋肉を動かす(伸び縮みする)ことで作用します。じっとしているよりも動いている方が身体は温まってきますよね?これは筋肉を動かしているからです。
このように筋肉は動かした方が血流が促されます。
血流が促されると筋肉に必要な酸素や栄養素、ATPが供給されるので、筋肉が柔らかい良い状態になることができます。
トリガーポイントを取り除くためにも血流を改善し、筋肉を柔らかくしていくことが重要です!!
どうしても痛みがあると安静にしがちですが、安静にばかりしていると血流不足になりますので注意して下さい。
ただし、痛みを我慢して動くというのも実は良くありません。
痛みを感じると交感神経が興奮してしまい、筋緊張の亢進や血管を収縮させてしまいます。
動くのであれば、痛みの無い範囲で動くようにしましょう!
動かさない方が良い症状
とは言っても、動かさない方が良い症状もあります。
基本的に動かした方が良いのですが、炎症が起こっている時は動かさず安静が大切です。
炎症の特徴的な症状としては、「発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害=炎症の5徴」があげられます。
腰が痛いな、足が痛いなと感じた時に痛みを感じている部分を触り、炎症が起こっていると判断した場合は無理に動かさず安静に努めて下さい。
まとめ
いかがでしたか?
最近ではぎっくり腰も安静ではなく動かしながら治していくという考え方の病院も増えてきているみたいです。
先ほどもお伝えしましたが、椎間板ヘルニアの原因は筋肉が血流不足により硬くなってしまった状態です。
安静にしていても湿布を貼っても薬を飲んでもなかなか改善しないのは筋肉を良い状態に戻してあげてないからです。
筋肉を柔らかい状態に戻すためには、血流を改善させることが重要ですので、痛みの無い範囲で積極的に動かしていきましょう!
中には炎症が起こっているのかどうか判断できない、自分ではどうしたら良いのか分からないという方もいらっしゃると思います。そんな時は一度当院にご相談下さい!!