そもそも野球肘とは?
野球肘とはピッチャーやキャッチャーに発症することが多いように、使い過ぎ(オーバーユース)によって起こります。
一般的に、野球肘は内側・外側・後方に発症し、
多くの場合は肘にストレスがかかり続けることによって痛みが出てきます。
最も発症の多い内側の野球肘の場合は、主に上腕骨内側上顆炎・円回内筋付着部炎など筋肉や靱帯の牽引力が原因となって骨の障害が発症するものが多く、投球動作の際に繰り返しの手首の曲げ伸ばしによって前腕の筋肉が硬くなることが肘のストレスの大きな原因の一つになっています。
(小学生くらいの年齢では骨完全に硬化していないため、軟骨障害・裂離骨折・骨端線離解などが多い)
野球肘の最終段階では骨の損傷が起こることが多いですが、
その機序の中で大きな原因となるのは繰り返し使用されることによって酸欠状態に陥った“筋肉の硬さ“です。
硬くなった筋肉は緊張度が高まるため、衝撃を吸収しきれなかったり伸び縮みが出来ないので結果的に骨への牽引力や負担が増加してしまいます。
また、投球を繰り返すことで筋肉への負担が蓄積され、筋肉にトリガーポイント(筋肉のシコリ)が形成されて筋肉からも痛みが出てきてしまいます。
このトリガーポイントが連鎖的に痛みを広げていき、さらに硬くなってしまうことで筋肉は血行が悪くなり酸欠状態に陥って肘全体に痛みを引き起こします。
この酸欠状態になり痛みを出してしまう状態を筋筋膜性疼痛症候群(MPS)といいます。
各年代で野球肘として肘の痛みを引き起こす背景にはこのように、骨だけでなく筋肉からくる痛みが深く関わっています。
どうすれば治るの?〜治療法〜
先ほどもお伝えしたように野球肘の痛みの原因は筋肉になります。
特にピッチャーやキャッチャーに発症しやすいのは使い過ぎてしまう為です。
筋肉の硬さを取っていくには先ほどにも説明したように筋肉の血行を良くすることが重要です!
原因になりやすい筋肉
前腕屈筋群
前腕屈筋群(ぜんわんくっきんぐん)とは肘の内側から始まり
長い筋肉では指先まで続く筋肉の総称です。
これらの筋肉の働きは主に、手首を内側に曲げることです。
ボールを持ち、投げる動作をイメージしてください。
手首が内側に曲がっていますよね・・・?
これらの動きを練習や試合など、何度も何度も積み重ねることで
筋肉が痛みの線を飛び超えSOSを出すのです!
肘の内側に付着する筋肉は5種類もあり、特に野球肘の原因となるのは
『円回内筋(えんかいないきん)』です。(下図の水色の部分)
実際にボールを投げる時は
肘や指も曲げた状態から伸ばされることで筋肉に疲労が蓄積し、状態が悪化していきます。
トリガーポイントを根本的に取り除いていくには手技治療や電気治療、針治療を行うと症状改善スピードがあがります!
当院で行っている電気治療は「ハイボルト」と呼ばれる特殊な電気治療を行っています。
セルフケア方法
筋肉が原因の痛みは安静にしていても改善しません。
痛みのある筋肉を治す為には、血流の改善が必要です。
ストレッチを行なうことで、血流が促進されるだけでなく筋肉の柔軟性もアップしますので
痛みのある方は毎日行なうようにしましょう!
今回はどこでも簡単にできるセルフケアをお伝え致します!
前腕屈筋群のストレッチ
①手のひらを上に向ける
②もう片方の手で指を持ち自分の体の方向に引っ張る
③腕の前面(赤丸部分)が伸びている感覚を感じたところで15秒キープ!
④15秒を3セット行いましょう!
最後に
いかがでしたでしょうか?
このストレッチはとても簡単ですので、
仕事の合間やお風呂で行なってみましょう!