足底筋膜炎とは
足底筋膜炎とは足の裏にある筋膜(=足底筋膜)に炎症が起こるものです。
足底筋膜は踵(踵骨)から足の指に向かって張っている厚い組織で、主に地面からの衝撃の吸収や土踏まず(アーチ)の保持に働きます。
この足底筋膜がランニングや長時間の歩行の際の蹴り出す動作を繰り返すことで、足底筋膜の付いている部分でもある踵骨や足の先に引っ張る力を与えることで炎症が起こります。
また、ランニングや歩行以外にも立ち仕事が多いと体重を支えるために常に負担が蓄積するため、踵や足の先だけでなく土踏まずの部分にも痛みが出ます。
足底筋膜炎の症状
・起床時の一歩目に痛みがある
・立ち上がる瞬間に痛い
・歩いたり走ると痛む
・押すと痛い
・蹴り出す瞬間に痛む
骨棘とは
骨棘とは骨のトゲのことで、踵の骨に出来る骨棘のことを踵骨棘と言います。
骨棘の原因は、足底筋膜の引っ張る力が強いと、足底筋膜の付着部でもある踵の部分に牽引力が発生し骨棘ができてしまいます。
足底筋膜炎の痛みの原因とは
上記に書いたように、足底筋膜炎の中には骨棘が生じる場合があります。
レントゲンで骨棘を発見され、その骨棘が痛みの原因だと思っている方もおられるのではないでしょうか。
また、加齢や体重増加、扁平足も原因になると言われていますので、インソールを作ったり体重を落とすためのダイエットをしている方もおられると思います。
それは大きな間違いです!!!!
足底筋膜炎の痛みの原因は筋肉なのです!!!!
足底筋膜の下には短趾屈筋という足の指を曲げる筋肉や母趾外転筋という母趾を外に開く筋肉が付いています。(下図)
地面を蹴る動作や、立ちっぱなしで地面を踏ん張る姿勢が続くと短趾屈筋や母趾外転筋に負担が蓄積し柔軟性のない硬い緊張した状態になってしまいます。
短趾屈筋や母趾外転筋が緊張すると足底筋膜も同様に緊張するため、踵や足の先に炎症が起こり痛みを感じてしまうのです。
そして、痛みの原因としてもう一つ関係してくるのがふくらはぎの筋肉なのです!!!
ふくらはぎの筋肉はアキレス腱になり踵に付くのですが、実はアキレス腱と足底筋膜は薄い膜で繋がっているのです!!!
そのため、足底筋膜炎の直接の原因になる短趾屈筋や母趾外転筋だけでなく、地面を蹴る動作や立ちっぱなしでふくらはぎを酷使することも原因になるのです。
筋肉を酷使すると疲労物質が蓄積してしまい、筋肉に必要な酸素や栄養素をうまく取り込めなくなってしまいます。
その結果筋肉が酸欠状態になり、柔軟性の無い硬い筋肉になってしまうのです。
足底筋膜炎を早く治そうと思うと、インソールや安静ではなく筋肉に対して治療していく事が重要です!!
まとめ
骨棘がレントゲンで発見された場合、骨棘が痛みの原因だと思われがちですが、もし骨棘が痛みの原因になっているとすると、一歩目だけ、朝だけの痛みではなく歩くたびに痛みを感じるはずです。
そして骨棘は一度できると引っ込むことはないので、痛みに強弱の波はありません。
もし安静にしてもなかなか痛みが取れない方や足底筋膜炎で悩んでいる方がおられましたら、筋肉に対して治療を始めてみてはいかがでしょうか?