捻挫で痛みが出るポイント
捻挫をした際痛みが出るポイントは大きく分けて3つあります。
まずその中の一つは、靭帯です。
靭帯は骨と骨で形成される関節を固定し、異常な可動域を防ぐためにあります。
捻挫をした場合この靭帯が損傷することでその部位に痛みが走り激痛を伴います。
そして次に痛みが最も強く出るのが骨です。
捻挫の際骨が折れてしまったり、骨の表面を覆っている骨膜という組織が靭帯、筋肉により剥がれてしまうことがあります。
痛みとしては非常に強く、熱感、腫れ、疼痛がはっきりと現れます。
この時はしっかりと固定をし自然治癒を促していかなくてはなりません。
最後の3つ目は筋肉です。
皆さんがよく「筋が伸びた」という表現をされるのは、実はこの筋肉が捻挫の際に引き伸ばされた感覚のことを言われています。
厄介なことに靭帯、骨を損傷した際には同時にこの筋肉も痛めてしまいます。
痛みは靭帯、骨に比べてやや広く出てきます。
捻挫の痛みが長引く理由
実はこの捻挫の痛みが長引く理由はこの3つの痛みの中にあります。
それが3つ目の筋肉です。
実は捻挫をした際に整形外科へ行かれた場合固定やリハビリを受けられるのですが、多くの場合この筋肉への治療が十分でないことがあります。
靭帯や骨が元の状態になり、ある程度歩行が可能になれば痛みが残っていてもそこでリハビリは終わってしまいます。
ですのでこの筋肉の痛みがずっと残り痛みが長引いてしまうのです。
特に『腓骨筋』というすねの外側にある筋肉は足首を外返しにする働きがあるのですが、内返しの捻挫によって急激に引き伸ばされてしまうと筋肉の防御反応として収縮してしまいます。(=伸張反射:しんちょうはんしゃ)
この反射によって収縮して硬くなった筋肉は柔軟性がないため可動域制限の原因となったり、硬くなった腓骨筋自体が血流不足になり痛みの原因となることもあります。
また、腓骨筋が硬くなるとうまく筋肉が収縮しないので筋力低下=踏ん張ることができず再受傷してしまうのです。
捻挫の痛みを早く取り除き、再受傷しないためにも靱帯や関節にのみ治療を行なうのではなく、早期から筋肉に対して治療を行なうことが早期復帰への一番の近道となります。
まとめ
このように捻挫の痛みは靭帯や骨ではなく、足の関節を動かす筋肉の緊張が残り症状を引き起こします。
この筋肉の痛みを取り切る治療をしないと歩く度に痛みを繰り返し、症状は酷くなってしまいます。
捻挫をしてから何年も痛みが続く方もいらっしゃいます。
捻挫の際は固定が終了すれば早期に足関節の周りの筋肉を治療するようお近くの接骨院へお越しいただくことをお勧めします。