「スポーツ外傷」 と 「スポーツ障害」 どっちの言葉が正しいの?
よく似ているけど意味の違う二つの言葉を解説します。
スポーツ外傷
まず一つ目の【スポーツ外傷】。これはスポーツをしている際に転んだり、ぐねったり一度のアクションで体を負傷してしまったものをいいます。具体的にはジャンプの着地に失敗して足首をひねった「足関節捻挫」、スタートダッシュ時に太もも裏の筋肉を伸ばしてしまった「ハムストリングスの肉離れ」、バレーボールのブロックで小指をはじかれて指の靭帯が伸びたり関節が外れたりする「指関節靭帯損傷」や「指関節脱臼」など、突発的なケガを総称して【スポーツ外傷】と呼んでいます。
【スポーツ外傷】では靭帯や筋肉が大きなダメージを受けていることが多いため、急性期治療は特に損傷部の保護や固定が重要になります。
スポーツ障害
もう一つの【スポーツ障害】は、スポーツ特有の動作を繰り返すことによって身体に蓄積性・反復性の外力が加わり、関節や筋肉に負担がかかり痛みが生じるものを言います。代表的なものは、テニスのバックハンドによって肘の外側が痛くなりラケットが振れなくなる「テニス肘」や、ランニングにより膝周囲の痛みを生じる「ランナー膝」等があります。
【スポーツ障害】では繰り返しによる筋肉酷使が原因の症状と、繰り返し動作で靭帯や骨に損傷が起きていないかの見分けが一番大切になります。
スポーツ外傷と違い、筋肉酷使による痛みとケガの損傷部に対してそれぞれに最適な治療をしていかないと、安静や練習中止だけでは決して治らない。それが【スポーツ障害】の特徴です。
スポーツ障害の原因
スポーツ障害は突発的なものでなく繰り返しの練習によるものですが、その原因は大きく6つあります。
表のように様々な要因がありますが、まずは3番目のコンディショニングが私たち平川接骨院/針灸治療院グループにて患者様にお手伝いさせていただいております。
また、必要に応じて競技特性と患者様のお身体の発育過程にに合わせたトレーニング法や、京都ハンナリーズの公式コンディショニングパートナーとして培ったノウハウを、学生さんやランナーの皆様への施術として提供しております。
スポーツ障害には治療か予防か?
【スポーツ障害】には様々な要因が考えられますが、どうすれば早く【スポーツ障害】が解決できるでしょうか。それは治療と予防、二つの効果がある施術をできるだけ早く開始するということです。
スポーツ障害は繰り返しの動作による筋肉への負担が症状発生の第一段階です。ですので、はじめは酷使してきた筋肉の機能を回復させる施術を行い、症状を抑える治療効果と再発防止につながる予防効果が発揮できるようにします。安静も確かに大切なケースや時期はありますが、【スポーツ障害】を根本的に解決するためには筋肉の機能回復施術(トリガーポイント治療)が必要になります。
筋肉の機能異常とは
では筋肉の機能異常とはいったい何でしょうか?
筋肉とは、筋肉の細かい繊維が互いに滑り込むように収縮と伸長を繰り返しています。そして力を発揮するときは筋肉は短縮し、関節を固定するように力を発揮します。試しに二の腕の力こぶを作ってみてください。筋肉は膨らみ短縮しているはずです。そうした状態の筋肉は、筋肉内の細かい血管が圧迫され、血流が遮断された状態になります。もちろん、普段使うくらいであればすぐに血流が回復し問題はないのですが、【スポーツ障害】は筋肉を繰り返し同じ動きで酷使することで発生しますので、筋肉内部の細かい繊維が伸び縮みしない状態になってしまいます。これを筋肉の拘縮(こうしゅく)=「トリガーポイント」と言います。
この拘縮状態が続いていくことで筋肉は痛みを生じ、同時に筋力が発揮しづらい状態になってしまうのです。これが筋肉の機能異常です。
平川接骨院グループの【スポーツ障害】への施術「トリガーポイント治療」は、筋肉の機能異常を効果的に解消することで痛みをとり、筋肉の血流と筋力を回復させることができます。つまり治療と予防を同時に行うのです。
スポーツ障害とスポーツ成績の関係
それでは、スポーツ選手として成長していくために、スポーツ障害とどう向き合えばよいのでしょうか。
スポーツ外傷は突発的なアクシデントによる「ケガ」です。これはある意味どうしようもありません。しかし、スポーツ障害は予防することが可能です。
それは、練習の内容を見直す、シューズやグランドの環境を見直す、そして入念なストレッチなど体のお手入れをする…など。優秀なスポーツ選手は、もれなくこの予防に力を入れています。なぜなら体を痛めて練習できなくなると技術や体力が落ちていくからです。
つまりスポーツ選手として成長していくためには、継続して練習を続けていける体つくりをすること。これこそ一流のスポーツ選手になるために欠かせないものなのです。
体力や心肺機能、あらゆるスポーツの技術は一日では身につきません。継続して練習していくためには継続した身体の手入れが必要なのです。