五十肩とは?
五十肩とは総称であり、その原因となるものは様々だと言われています。
その中には、肩峰下滑液包炎、石灰沈着性腱板炎、そして筋肉の拘縮によるものなどがあります。
五十肩の症状は、夜寝る時に肩が疼いて寝れないという夜間痛や肩が上がらなくなってしまい、無理に動かそうとすると痛みが出るといったものがあります。
中でも多いのは筋肉性のもので、原因は動かし過ぎる事よりもパソコンのタイピングや細かな手作業などの肩を少し上げた姿勢で長時間いることが考えられます。
これは長時間肩を上げっぱなしにすることで筋肉の収縮状態が続きその筋肉が毛細血管を圧迫する事で血行不良となり、筋肉自体が酸欠・栄養不足になってしまうからです。
そうした筋肉は柔軟性が低下し、正常な可動域を失います。
肩関節は元々不安定で、関節の中では非常に可動域が広いものなのですがそう言った不安定さを補うのが筋肉である為、この筋肉の状態に影響を受けやすくなってしまうのです。
さらにこの五十肩には急性期、慢性期、回復期という三つの時期に分けられます。
急性期
急性期とは肩周囲の筋肉や腱、関節包などに炎症が起きている状態で、人によっては夜間痛や動作時痛などの激痛を伴います。
基本的には安静にする必要があります。
そして、この急性期に大事なことはとにかく痛みを早く取ってあげることです。
痛みというのは身体にとっての危険信号ですので、痛みがある時は筋肉が自分の身を守ろうと無意識に収縮を起こし、酸欠・栄養不足が進行してしまいます。
ですので、痛みが出ないように安静にする事は非常に重要なのです。
少しでも早く痛みを抑える治療を行う事で早期回復できるという事を是非知っておいてください。
慢性期
続いて慢性期ですが、これは急性期の炎症が治り、肩の可動域制限や制限以上に動かした時の痛みがでてしまう筋肉が拘縮している時期のことを言います。
この時期は痛みは治まっている為、痛みを抑える薬などではあまり改善されないと言った方が多いです。
原因となる筋肉を見つけ出し、血行不良となった筋肉の血流を改善する必要があります。
回復期
そして、最後が回復期です。
回復期は筋肉の血流が改善し、新たに可動域を制限している筋肉に酸素や栄養素が入っていく事で元の柔軟性を取り戻し、痛みも改善される時期です。
しかし、残念ながら放っておいてもなかなか元の状態には辿り着けません。
というのも原因が拘縮した筋肉にある五十肩は血行不良の状態にある為、それに適した治療を行う必要があります。
では、五十肩を治すために必要な治療とはどういったものなのでしょうか?
五十肩を早く治すための3つの治療
皆さんが思う痛みを取る治療のなかではシップ薬、鎮痛薬といった物があると思います。
しかし、実際の患者様からは「長い間薬お飲んでいるが良くならない」というお声をいただくことが多々あります。
これはやはり原因である筋肉に対して効果が出ていないということが考えられます。
それでは五十肩を早く治すための3つの治療をお伝えしたいと思います。
1.手技治療
手技治療は痛みや慢性的に拘縮した筋肉を表面からほぐし血流を改善していくものです。
見るだけではなく実際に原因となっている場所に触れることで確実に原因の場所をとらえることができるので、まずは広く手の届く範囲で治療を行う必要があります。
血流が改善することで可動域も改善されていきます。
2.鍼治療
鍼治療はどうしても手で届かない深い筋肉まで刺激を与えることのできる治療です。
効果としては鍼による刺激で体の免疫作用を促進させ、患部の血流量を上げてくれます。これによって筋肉は新しく血液中の酸素や栄養素を取り込むことができ柔軟性を取り戻します。
3.ハイボルテージ治療
ハイボルテージ治療は主に二つの効果があります。
一つはゲートコントロールというもので痛みの感覚を抑える効果があります。
治療による電機刺激をより早く脳に伝えることで、辛い痛みの感覚を感じにくくさせてくれるのです。即効性も期待できます。
二つ目は筋ポンプ作用というもので、動かなくなってしまった奥深くの筋肉に電気を流し、わざと筋肉を運動させることができます。
これにより筋肉がポンプの働きをしてくれるので効果的に血流を良くすることができ痛みや可動域を改善してくれます。
まとめ
五十肩はけして治らないものではありません。
大事なのは1日でも早く治療を開始し、まず痛みをとってあげることです。
五十肩はいずれ痛みは消えていきますが長期間安静にした状態で痛みが軽減したころには肩の可動域は制限され、多くの筋肉が拘縮し元の状態まで改善するのに長い期間が必要となってしまいます。
ただこう言った場合でも原因を見つけ正しい治療を行えば改善していきますので、諦めずにぜひ治療を始めてください。