変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、膝関節にある軟骨がすり減ることによって膝関節に炎症が起こり痛みを伴ったり膝関節が変形(内反変形:O脚、外反変形:X脚)するものです。
特に加齢や体重の増加による膝への負担、半月板を損傷したことがある方に多くみられ、男性よりも女性の方が多いといわれています。
最近では定期的なヒアルロン酸の注射やグルコサミンといったサプリメントを飲むことなどが主流で、場合によっては人工関節置換術という手術を行うこともあります。
しかし、膝がO脚に変形しても痛みを伴わずにすたすたと歩いているお年寄りの方もいますよね?
軟骨がすり減ったことが原因でO脚になっているとしたら、痛みで歩くのも辛いだろうに、、、と思いませんか?
変形性膝関節症による軟骨のすり減りが痛みの原因になっているとしたら、膝が変形している人全員が痛みを抱えながら生活しているはずです。
しかし、現実では痛みなく生活している方もいるのです。
それは軟骨のすり減りが膝の痛みの原因ではないからです!!
膝の痛みの本当の原因とは
変形性膝関節症による膝の痛みの本当の原因とは、実は筋肉なのです!!
60歳以で膝に症状がない方を対象にMRI撮影を行ったところ、41.7%の方に半月板の断裂を認めたという実験データがあります。
半月板の上には大腿骨が、下には脛骨(すねの骨)があるため、半月板が損傷すると大腿骨や脛骨の軟骨を傷つけてしまうことになります。
しかし、41.7%の方は無症状だったのです。
このことからも、軟骨のすり減りが直接の痛みではないという事が分かると思います。
そもそも軟骨には神経がないため、すり減ったからと言って痛みを感じることはありません!!
また、軟骨は一度すり減ると再生しないため、痛い時と痛くない時があるということはありません。
冒頭で、膝の痛みの原因は筋肉からくるものとお伝えしましたが、一番の原因となる筋肉は『大腿四頭筋』です。
大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋の4つの筋肉からなる大腿四頭筋は、太ももの前にある大きな筋肉です。
大腿四頭筋は膝のお皿の上を越えて脛骨というすねの骨に付きますが、膝を伸ばす時だけでなく膝関節を支える働きがあります。
立ち仕事や歩くことが多い、階段の昇り降りが多い、登山が趣味だ、など大腿四頭筋を酷使すると、トリガーポイントと呼ばれる痛みの引き金となる筋肉のしこりができます。
そしてこのトリガーポイントこそが変形性膝関節症だと思っていた膝の痛みの原因なのです。
下の図は大腿直筋と内側広筋にトリガーポイントができた時に出る関連痛領域です。
トリガーポイントがあると離れた場所に痛みや痺れなどの症状を放散します。これが関連痛です。
特に大腿直筋と内側広筋はお皿周辺の痛みや膝関節の内側の痛みの原因となるため、多くの方が悩んでおられる膝の痛みの一番の原因となります。
また、大腿四頭筋を酷使することで柔軟性がなくなると上手く収縮できず筋力自体が低下してしまうため、膝がカクンと力が抜ける膝崩れが起こったり、正座の時に上手く伸長できずに痛みを感じたり正座がしづらくなるということもあります。
大腿四頭筋が原因での膝の痛みであれば、血流を改善し筋肉を柔らかくしていけば必ず症状は良くなります。
まとめ
レントゲンを撮って変形性膝関節症と診断された場合、軟骨のすり減りがあることは事実ですし、もちろん加齢とともに軟骨はすり減っていきます。
しかし、レントゲンには筋肉は写らない為、筋肉の硬さや筋肉が原因かどうかはレントゲンだけでは分かりません。
変形性膝関節症と診断された方でも実は筋肉が膝の痛みの原因かもしれませんよ?
湿布と鎮痛剤で諦めているのであれば、一度当院にご相談ください!!